株式会社 龍マニュファクチャリング・アンド・オートメーション・ギアーズ
Dragon Manufacturing and Automation Gears Co., Ltd.
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渡辺理論とは
溶融樹脂の粘度特性は、シアレートが高くなるに従って粘度が低下する非ニュートン流体です。更に非ニュートン流体の中にはシアレートが高くなるに従って急激に見かけ粘度が低下する、シアレートに敏感なPS、PE、PP、PMMA等の樹脂があります。
従来の逆流計算は、図-1のように間隙Sとギア歯
速度のみのシアレートでの粘度を考慮していまし
た。しかし、ギアポンプを使いシアレートに敏感
な樹脂を昇圧移送する場合、昇圧100Barを超え
ると急激に移送効率の低下がみられ、ポンプの効 率計算結果と実際の運転結果に大きな差が出てい ました。
これは、図-2のように溶解樹脂がギアポン プ内部の隙間から逆流する為であり、逆流 する流速に従って見かけ粘度が低下した結 果です。つまり、ギアポンプ内部で逆流 が 発生すると、逆流速度に従ったシアレート に粘度が低下していき、更に、粘度が低下 するからまた逆流量が増加し、逆流速度が 増します。そうして、この見かけ粘度の低 下現象は、あるシアレートまで続きます。この粘度特性を理解して、ギアポンプ内部での逆流量を最小になるようにポンプ形状を工夫したポンプが、「渡辺理論」を適用したポンプです。
実際に、図-3のように「渡辺理論」を適用したDEXギアポンプは、PS系樹脂を昇圧150〜180Barに於いて、95%以上の容積効率を達成しております。
図-2 ギア速度を考慮した剪断速度
図-1 従来の剪断速度の考え方
「渡辺理論」とは、ギアポンプ内部での逆流計算にあたり、逆流する流速を加味したシアレートにて樹脂粘度を推定した考え方です。「渡辺理論」をギアポンプの形状に応用したものが弊社が設計したDEXギアポンプです。その結果、PS系樹脂を昇圧150〜180Barに於いて、95%以上の容積効率を達成しております。
従来のギアポンプ性能計算は、図-1のように間隙Sとギア歯速度のみのシアレートでの粘度を考慮していました。しかし、ギアポンプを使いシアレートに敏感な樹脂を昇圧移送する場合、昇圧100Barを超えると急激に容積効率の低下がみられ、ポンプの効率計算結果と実際の運転結果に大きな差が出ていました。
これは、図-2のように溶解樹脂がギアポンプ内部の隙間から逆流する量が大きい為であり、逆流する流速に従って見かけ粘度が低下した結果です。つまり、ギアポンプ内部で逆流が発生すると、逆流速度に従ったシアレートに粘度が低下していき、更に、粘度が低下するからまた逆流量が増加し、逆流速度が増します。そうして、この見かけ粘度の低下現象は、あるシアレートまで続きます。
この粘度特性を理解して、ギアポンプ内部での逆流量を最小になるようにポンプ形状を工夫したポンプが、「渡辺理論」を適用したポンプです。
実際に、図-3のように「渡辺理論」を適用したDEXギアポンプは、PS系樹脂を昇圧150〜180Barに於いて、95%以上の容積効率を達成しております。
注釈:渡辺理論とは
※1 流速
※2 シアレート
※3 容積効率
※4 溶融樹脂
※5 シアレートに敏感
※6 非ニュートン流体
図-3
従来型ギアポンプとDEX-GPポンプの吐出量変動幅を比較した事例
昇圧量が110Barから130Barへあがった時、従来型のギアポンプは容積効率が7強%減少するのに比べて、DEX-GPポンプは1%満たない減少に留まっている
容積効率改善結果は、図-3が示すように、ギアポンプ自体の運転効率の差となるだけでなく、吐出側抵抗値が増大しても吐出量の安定し、減少幅が少ない運転を可能にしています。従来のギアポンプは昇圧量が100Barを超えると容積効率が急激に低下するため、昇圧100Bar以上の運転には適用出来ませんでした。一方、DEX-GPポンプは、吐出圧が100 Bar以上の運転でも容積効率の低下が少ないため、問題無く運転が可能です。これは、スクリーンチェンジャーをギアポンプの下流に設けても高い効率で稼働出来ると言うことであり、スクリーンチェンジャーのフィルター交換を少なく出来るメリットも出てきます。
注釈:渡辺理論とは
※1 流速
樹脂の流れの速さ
※2 シアレート
粘性を考慮して流体を取扱うとき,これを粘性流体という。粘性流体においては,流体内に任意の面を考え
るとき,面に対して垂直な方向の圧力のほかに,面に平行な方向に粘性力が働く。特に,単位面積あたりの
粘性力が速度勾配に比例するとき,そのような流体をニュートン流体,比例定数を粘性率という
※3 容積効率
ポンプの理論吐出量に対する実吐出量の百分率(%)
※4 溶融樹脂
※5 シアレートに敏感
※6 非ニュートン流体
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