株式会社 龍マニュファクチャリング・アンド・オートメーション・ギアーズ
Dragon Manufacturing and Automation Gears Co., Ltd.
ギアポンプと押出機器関連機器の設計・販売・メンテナンスのことなら 龍M&AG
〒336-0911 埼玉県さいたま市緑区三室2607番地9
TEL/FAX:048(873)6274 MAIL:info@dmag-pump.com
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ギアポンプとは
◎ギアポンプ=回転式容積ポンプ※1
◎粘性流体※2を高い圧力で移送する為に用いられる
◎ダイヤフラムポンプ・ピストンポンプと同等な容積効率※3で作動し、低脈動で連続的な移送を実現
◎実験室レベルから大量生産レベルまで、
溶融樹脂・エラストマー・接着剤・ホットメルト等の高粘度流体の移送に使用
◎ギアポンプの用途=昇圧・移送・計量(流量精度)
ギア歯の機能
1.
ポンプの吸入側で、ギア歯のかみ合いが開く際に生じる真空と背圧で送液を引き込みます。
2.
ギア歯間に入った送液がハウジング内壁に沿って回転し、吐出側に移送されます。
3.
ギア歯が再び噛み合うことで、溶融樹脂が吐き出され、吐出口へ進みます。
ギアポンプの内部
1. ギアシャフトは、駆動機により回転し送液を移送することで吐出側で圧力を発生させます。
2. ギアシャフトが発生させた圧力はベアリングで支えています。
3. ギア歯・シャフト・ベアリングは送液中で作動するため、送液により潤滑されます。
4. シャフトの回転により吸入側と吐出側に生じる圧力差により、シャフト・ギア・ベアリングの潤滑液の戻り流れ(逆流)及びギア歯側面とベアリング間隙の戻り流れが発生します。この戻り流れが多量になることでギアポンプの容積効率が低下します。
容積効率(%)=
ギアの移送量(liter/min)
実際の移送量(liter/min)
=
ギアポンプの容積効率
ギアの移送量 − 戻り流れ量
ギアの移送量
ギアの移送量 =
単位吐出量(cc/回転)× ギアポンプの回転数(rpm)
1000
ギアポンプの機能
押出機装置の機能は樹脂の溶融・混練・昇圧・計量・濾過・成形に分類されます。
それぞれの機器で重複する機能がありますが、機器の得意機能を生かした構成にすると、有効で効率的な
優れた押出機装置となります。
各機器の機能
押出機本体 : 溶融、混練、昇圧、計量
ギアポンプ : 昇圧、計量
スクリーンチェンジャー
ブレーカープレート :濾過
(フィルター装着)
ダイス : 成型
龍M&AGの提案
押出機と比べて非常に優れている容積効率(昇圧機能)のDEX-GPギアポンプに、昇圧機能を集約し、それに基づき、押し出し機全体を効率バランスの良い機器構成にする
従来のギアポンプは、昇圧量が100Barを越えると急激に容積効率が悪くなるため、
100Bar以上の昇圧に採用出来ませんでした。(図-1参照)
弊社が設計したDEX-GPギアポンプは、昇圧量150Bar以上に於いて、容積効率90%以上の昇圧が可能となりました。
(DEX-GPギアポンプは、渡辺理論に基づき、ギアポンプの内部構造を見直し容積効率を良好にする形状・精度・クリアランスを追求したポンプです。)
図-1
従来型ギアポンプとDEX-GPポンプの吐出量変動量を比較した事例
昇圧量が110Barから130Barへあがった時、従来型のギアポンプは容積効率が7%強減少するのに比べて、DEX-GPポンプは1%満たない減少に留まっている
龍M&AGの提案
(1) DEX-GPギアポンプを採用する。
(2) スクリーンチェンジャーをギアポンプの下流に設置する。
(3) 押出機本体は、溶融機能・混練機能に特化する。
(i) ギアポンプの吸入圧設定を30Bar以下にする。
(ii) スクリュー形状設計を変更する。
(iii) 押出機を短くする。
(4) スクリュー回転変動を最小限にする制御設定値を採用する。
図-3 S/Cをギアポンプの下流に設置した場合
図-2 S/Cをギアポンプの上流に設置した場合
従来のギアポンプは、昇圧量100Bar以上にすると容積効率が急激に悪化するため、
ギアポンプの昇圧が出来ず、スクリーンチェンジャーをギアポンプの上流に設置するしか方策がありませんでした。
しかし、DEX-GPポンプであれば、昇圧量150Bar以上でも容積効率が優秀なためスクリーンチェンジャーをギアポンプの下流に設置出来ます。
図-2,3は、スクリーンチェンジャーをギアポンプの上流に設けた場合と下流に設けた場合の溶融樹脂圧力と溶融樹脂温度を示しました。
押出機は昇圧能力が低いので押出機自体でスクリーンチェンジャーの為の昇圧をさせると余計な摩擦エネルギーを発生させます。そして、必要な押出機吐出圧を得る為に回転数を上げると、樹脂温度が上がり、同時に樹脂粘度が低下するので、さらに回転数を上げなければならない状態が発生します。それらが、押出機吐出圧が大きな変動させる原因になっていたのです。
さらに詳しく説明すると、押出機のスクリューは、昇圧の為にスクリュー回転数を上げると昇圧ゾーンで発熱が発生します。同時に、溶融・混練ゾーンも回転数が上がるので、押出機全体で樹脂温度を上昇させる結果となります。
図-3 S/Cをギアポンプの下流に設置した場合
容積効率の改善と意義
上記図-1はポンプの能力を、DEX-GPギアポンプと従来型ギアポンプと比べたものです。
注: 従来型ギアポンプは実例から推定しました。
昇圧120Barに於いて、従来型ギアポンプとDEX-GPギアポンプの容積効率の差は20%を越えます。実際の運転では、DEX-GPポンプは、回転数を30%程度低く設定出来、ポンプ内部での摩擦エネルギーは40%近く低減出来ます。
従来型ギアポンプでは、スクリーンチェンジャーをギアポンプ上流に設置されて昇圧量が小さいにもかかわらず、ギアポンプサイズを1ランク大きなポンプを選定しなければならない事態になっていました。
また、スクリーンチェンジャー等の抵抗が変動すると、つまりギアポンプ吐出圧が110Barから130Barと20Bar変動したと場合、20Bar吐出圧の変動範囲の容積効率の変動量が吐出量の変動値を示します。
DEX-GPギアポンプは、1%弱の容積効率の変動ですが、従来型ギアポンプは、7%とギアポンプ回転数を調整しなければならない程度変動することを示しています。
注釈:ギアポンプとは
※1 容積効率
一定空間容積にある液を往復運動または回転運動にて容積変化させ液体にエネルギーを与える機械です。
ダイヤフラムポンプ・ピストンポンプ等の往復ポンプとギアポンプ・ベーンポンプ等の回転ポンプに分類される
※2 粘性流体
粘性を考慮して流体を取扱うとき,これを粘性流体という。粘性流体においては,流体内に任意の面を考え
るとき,面に対して垂直な方向の圧力のほかに,面に平行な方向に粘性力が働く。特に,単位面積あたりの
粘性力が速度勾配に比例するとき,そのような流体をニュートン流体,比例定数を粘性率という
※3 容積効率
ポンプの理論吐出量に対する実吐出量の百分率(%)
※4 ハウジング
※5 ギアシャフト
※6 ベアリング